おがたかお の 塊

生きる最速の文章たち

くっついた宝石

魔物が鏡にうつって驚きだったころ

個性にビビっていた

無意識も敵で、尖っていて、傷になる

痛いのは嫌いだから触れたくはなくて

でも、血を確かめるために

TVゲームに勇気をもらって

人々に飛び込んで行った

 

 

私はきっと海が好きで

透明な美しさを探しながら

不思議な生き物を掬って遊んでいた

そのあまりの素晴らしさに

様々なフィルターを試しているうち

山も浜辺の家もグニャグニャ歪み

なんだか世界が見えなくなって

 

瞬間、仲間だと錯覚しそうだった海の生き物は

自分にとっては、ただの飾りで

とてもとても悲しかった

 

魔物の仲間たちは言う

 

「確信犯であれ」

「他ではない、自らの感覚が全てだ」

「格好つけろよ、みっともない」

「バカには関わるな」

 

わかってる

私には狂気と悪意がある

泳げない人間に水をかけて

ケラケラと楽しんでいる部類の

くだらない魔物が鏡にうつる

 

私は、本当の私を見たことがない

 

いつも鏡越しで

左右は反転、奥行きもないし

わからないことは多い

 

ツノが2本かと思いきや

毛が5本の時もある

 

血を確かめるのは、どうか

その可能性に気がついた時は

めちゃくちゃに愛で包まれてて

 

息苦しくてもがいたら

赤がいっぱい手に付いた

 

混乱

 

私は、怪我などしたことがなかったから

知らなかったんだ

 

脈は青くて

だけど人間に流れる液体は

どうやらトマトみたいな色らしい

 

ああ

 

怪我をしたいな

自分は何色で出来てるのかな

 

切れ味の良い爪がはえてる

自傷を試みるけど、痛いのは無理

チカラがない

私、自分が、好き

 

裂けたクチも、覗いてるキバも

可愛らしいんだ

 

自分が魔物に生まれたこと

今は誇りに思うよ

 

それが例え、幻覚だったとしても

嬉しかったよ

 

先生、私達、間違ってない

 

ひたすらに傷つけた生物は

私を恨んでいるかもね

 

それでも

私は、私の血を確かめたくて

 

めちゃくちゃに傷つけてくれる人を

やっぱり探していた

 

とある予言の通りの出来事の後

突如

 

 

 

ネムちゃんという存在が現れて

最初は多くの人に対するのと同じように

きれいな宝石みたいに思っていた

天然の輝き、手の中におさまるサイズ感

うん、いい感じ

摩擦もなくツルンと一緒にいた

痛くも痒くもなくて

 

気持ちよかったからか

 

私、長く持ちすぎたのかもしれないし

よくわからない

 

同化してきて

身体の一部みたいになって

ちょっと待って

 

これ、剥がれたら痛いかも

不安でメッセージを送る

 

「嫌われたくない、などと思いたくないし自立した同士でいたい、依存したくないし苦しむのも嫌だから、これ以上は怖いからいつでも逃げて」

 

「大丈夫です、僕たちは」

 

ネムちゃんはじつは特別なギフトで

神様からの伝言を運んでいて

そこには言葉がたくさん書いてあって

知りたかった真理をくれて

私はいつも感謝のシャワーで

浄化されてしまいそうで

実際、毒がどんどんと抜けて

 

血の色のことは忘れたよ

本当の自分など、どうでも良いよ

 

知ろうとする心を鏡と共に叩き割った日

 

私は、世界そのものだったのだと

圧倒的にわかってしまう

 

夢から醒めてしまった

 

物語も配役もない

真の自由を見つけた

 

ネムちゃんからの情報は

私を幸せにしかしなかった

 

摩擦もなくツルンと一緒にいて

 

ここはどこだろう?

ただ、暗闇の中

スマートフォンで文字を入力しながら

 

何書いてるのかあまりよくわからないけれど

これはきっと盛大な惚気けだということに

恥ずかしさを覚えている

 

 

 

 

 

ネムちゃんへ

夜勤お疲れ様。ひとりの夜はひたすら寒いです。湯たんぽのような存在がいないからです。眠れないからこんな文章書いてみた。夕方にはきっと会えるから。こうして語りかけて、時間をやり過ごし、朝を待っています。もう春になるね。もっと暖かくなったら、少し遠くまで散歩しようね。楽しみにしています。

 

本当にオネムちゃんの存在は私にとって特別なギフトだし。生きる理由の最もたる部分です。この気持ちがいつか悲しくなってしまったら、なんて。そんな想像は蹴散らして。ただ今は想わせてほしい。

 

終わりに。

 

ゴッホの個人的な手紙が作品と一緒に美術館に並べられていたのを思い出していた。許してください。それではおやすみなさい。