おがたかお の 塊

生きる最速の文章たち

冬の記憶

スキーウェアのチャックを母が上げてくれた

喉の皮を挟んで私は泣いたんだ

「ごめんね」

家の前の坂でスキーの練習をしたね

町民スキー場まで行ってリフトの乗り方を訓練して

何度も転んだ

アルペン少年団でバスに揺られ

クロカン少年団で夕日を走って

私は雪と戯れたのか

冬は嫌いではない

 

暖かい部屋でアイスクリームを食べた

滑って転び頭を打った

雪山に子猫の身体が埋まっていて騒ぎになったり

ソリを引きずって街を歩いた

ツララを剣のようにして

吹雪の中を集団下校

山に続く階段をひたすら除雪した

クリスマスには朝早起きしてプレゼントを開ける

欲しかったゲームソフトだったから嬉しかった

正月にはお年玉がもらえて

ガラスの動物を集めたりした

 

毎年、初雪には外に出て喜んでいた

うんざりするにはまだ経験がなかった

白くてホワホワして冷たい

黒い紙に乗せ、結晶を覗く

この子たちは空からやってきた精霊

ツルツルの道路を渡る

排気ガスで茶色くなったのかなぁ

まだまだ愛おしい

遠くから名前を呼ばれる

誰もいないのに

 

屋根に上って飛び降りた

ふわっと気持ちよく浮かんで

ぼふっと着地したんだ

何度も何度もそうした

クッションになってくれたね

ありがとう

鍋、美味しかった

 

コタツが好きです