おがたかお の 塊

生きる最速の文章たち

冬の記憶

スキーウェアのチャックを母が上げてくれた

喉の皮を挟んで私は泣いたんだ

「ごめんね」

家の前の坂でスキーの練習をしたね

町民スキー場まで行ってリフトの乗り方を訓練して

何度も転んだ

アルペン少年団でバスに揺られ

クロカン少年団で夕日を走って

私は雪と戯れたのか

冬は嫌いではない

 

暖かい部屋でアイスクリームを食べた

滑って転び頭を打った

雪山に子猫の身体が埋まっていて騒ぎになったり

ソリを引きずって街を歩いた

ツララを剣のようにして

吹雪の中を集団下校

山に続く階段をひたすら除雪した

クリスマスには朝早起きしてプレゼントを開ける

欲しかったゲームソフトだったから嬉しかった

正月にはお年玉がもらえて

ガラスの動物を集めたりした

 

毎年、初雪には外に出て喜んでいた

うんざりするにはまだ経験がなかった

白くてホワホワして冷たい

黒い紙に乗せ、結晶を覗く

この子たちは空からやってきた精霊

ツルツルの道路を渡る

排気ガスで茶色くなったのかなぁ

まだまだ愛おしい

遠くから名前を呼ばれる

誰もいないのに

 

屋根に上って飛び降りた

ふわっと気持ちよく浮かんで

ぼふっと着地したんだ

何度も何度もそうした

クッションになってくれたね

ありがとう

鍋、美味しかった

 

コタツが好きです

オーラソーマ

罪を告白するから裁いてほしいと

この場を作り上げる情熱にするのだったね

ぼくが殺しました、彼女を、あるいは彼女の情熱を

死んだように隠れているのか

この世を本当に去ってしまったのか

知る術はあるかもしれない

だけど積極的に探そうとする理由はなく

なぜならあれだけのことをしておきながら

会いたいなど厚かましいから

私は病巣だ、あらゆる症状を体現して

数え切れない自分を持つ

まるで今日は自動書記で

伝えたいことが向こうからやってきて

私にぶち当たっていく

ぼくが一番悪いのです、世界で、たったひとつの穴

鍵を拒否した

だから、何も開かなかった

認知が歪んでいたから?理由になるだろうか?

恐怖のまま逃げてきた

今は平地でのんびり建設的な話で盛り上がり

どうした?足元は本当に強固か?

勘違いしている思いこんでいる

連絡が来ない

平気だと教えて欲しかった

「大丈夫、あなたは悪くないよ」

信じられないね

そんなこと納得いかないよ

誰が救われるものかよ

地べたにはいつくばってやる

マンホールの中からの手紙

知っていたか?汚い字で読めないっつーの

ちゃんとしなよね

「私はもう、あなたの前には…」

そうだろう

私は重罪、この世界がそもそも在ることが酷い

私が消えれば、物語は終結

続けようがない

主人公不在のまま、背景が流れる

どこまで行くの?

「私はもう…いないよ」

しっかりと、こんなにも記憶が根付いて

自分を責める材料にしている

あなたはいるよ

確かに、刻まれて痕を残している

伝わって、それでなんだっていうの

 

許さなくていい、裁いてくれ

確かな罪を持たせて

荷など下ろせなくいい、潰してくれ

 

甘えたことを言う

結局は、楽になりたいだけじゃない

 

 

あなたの光を内側に宿し

輝いていた

言葉が溢れて

 

「もう還っていいかな?」

 

彼女を苦しめ続けてる

 

皮膚

もらった腕時計の張り付いた部分が剥けた

微かに汗ばんでいて

癒着、はがすと肌が白く赤く変わっていた

 

煙草の害で硬くなった恋人の左手に

亀裂が入っていた記憶が連結

もう、やめちゃえばいいのに

合わないなら

そうは思うけれど、好きなんだもの

身体とは違う気持ちで

一緒にいたいのだから

いいじゃない、死ぬわけじゃ、ないし

殺されてもいいって思ったのだろうね

あらそうじゃない?

ただの依存で中毒症状?

複雑、もう、わからない覚悟もないのに

 

つるんとした頬に

そばかすからシミになっていく様

ホウレイセンを少し気にするし

毛を剃っておかしくなってしまった

顎もかゆくて

いつとろろ食べたっけ?不思議

蕁麻疹が突然現われる時は

生理的嫌悪なのだろうか

悲しみ

この世に溢れる

だけどそればかりでもなく

気をつけて記さなくてはなんて

冷静にもなっていた

私に優しさなんてないよ

心を動かせない

恋人の煙草だって

どうでもいいのかもしれない

悲しみ

私に溢れる

大切にしたかった気持ちも

白と赤の離れた方の皮膚も

剃られた毛もみんな

バラバラと底に落ちてゴミになった

燃やされるだろうね

ところどころは、風にさらわれて

知らないうちに土に還っている

 

ぴったりの保湿クリーム見つけて

試しに買ったしっとりしたやつを恋人にあげた

私はさらさらでいいから爽やかに引きしめたい

針仕事で傷ついた人差し指を

言葉が出てくるまで見つめていた

私を加害した時計などは

元気にチクタク時間を刻み

擬人化すんなよ、自らを笑う

こいつめ、私の皮膚を返せよ

どうせまた、新しいのができるでしょうけど

あなたしかなかったと

知らぬ間に細胞が入れ替わるものだとしても

思い込んでいたかった

大切に扱っていたわけでもない

自然と当たり前に健康であった私達を

離れさせたのはそれもまた自然なのか

何も批判できなくなっていく自我を

摂理がきっちり淘汰していくだろうと

何もかも、あきらめ始めていた

 

2月のオモリ

反射

言葉が軽くて

嫌になりそうだった

詩集をめくり飛び出した絵をついばんで

あの子は尖かった

針山に刺さる

ただごとじゃあ飛べないのに

豆ひとつかみして

頬張ってもごまかせない

鬼は内に宿り

嫌悪にまみれ

濁し続ける

 

洒落てないね

仕方ない

 

だせーよ

 

わたしひきわり納豆になる

酢飯と海苔に巻かれて

食べられたかった

 

重りを仕込んで

メモスタンドにする

 

よく見て

 

これ、まるでアリクイ

驚き

舌をチロチロと巣に挿す

幻覚をよく見るから

薬を飲まねば

 

エビリファイ12mg

お似合いの分量

それらしい音楽に酔う

頼まれた地下からの手紙を

大切に伝えたいけど

 

よく見て

 

これ、まるで磁石

がっかり

法則でくっついただけ

意志の力なんて

蹴っ飛ばしてしまった

 

神様を信じる人はあれど

神様に信頼される人間は少ない

私なら、全てを現してみせる

対等に降ろしてみせる

 

ただごとじゃあ飛べないぜ

 

またうずく

残したい鍋の焦げつきなんてある?

勝手にこそげてくれ

雪崩みたいに起こってくれ

現実を超えてくれ

 

願わくば

雨が降る前に済ませて

チョコバナナばかりの雪まつり

終わった頃には大仏も消えるし

葬式の話をして

電飾が消えた

人形を吊るし

まともな歌も蹴っ飛ばしてしまった

 

ヴァニラアイスを買いに行ってしまった

はい、涙のひとりぼっち

ストーブの前で赤と青の火を見ながら

まだ飛べるかもなんて

期待していた

 

お子さんの面倒をみさせてください

解決しますから

ミオモって、どのようなこと?

 

ますます掲げて

私は現す

美味しい詰め合わせを君にあげよう

 

よく見て

 

これ、ノイズだらけ

 

 

助けてくれよ

ヌイグルミの在庫に埋もれていた。

ぼくは、このまま死ぬのか。

赤い身体の彼らに翻弄され。

 

唐突に出会った、隣の家の婆さんの面倒を見ていたオバサン。

すれ違いざま。

「あんた、お金が欲しいかね?」

いわゆるネットワークビジネスの勧誘だった。

ぼくは軽い気持ちで話を聞いていたけど。

扱う商品がすごく魅力的だった。

 

「この子らは最高の可愛さでいくら家に置いても邪魔にならないし、癒やされる。連れて歩けば注目の的さ。きっと欲しい人もワンサカいる。このかわい子ちゃん達を適切な場所へ届けるお手伝いをするだけでお金が手に入る。どうだい?一緒にやらないかい?私から今買ってくれたらオマケでキーホルダータイプの小さな子も付けるよ」

 

本当に可愛いかった。

美少女フィギュアしか興味がなかったぼくが見ても、かなりのクオリティだと見てとれた。こんな手のこんだものが量産されていることに驚く。眼も鼻も濡れて光り、クチは今にもしゃべり出しそうで小さな歯ものぞいている。最高だ。一緒に暮らしてみたい。

レトロな感じの赤い革の身体も、ぼくのフィーリングに合った。

 

「おばさん、この子、いくら?」

 

「3万ポッキリ、どや?」

 

「買います」

 

実はぼくには貯金があったし。

お金が欲しいわけではなかったけれど。

ひと目見て、ハマってしまった。

 

 

 

 

 

何を書いているのかよくわからなくなってきた。

 

 

秘密の約束

はやくはやく帰ってらして

ふわりする

小説を読んでいても

時計が気になる

オネムの瞳

よく見つめてみた

ネムの瞳は本当に澄んで見えて

心底可愛かった

それは無垢な愛犬のぽてと様と同じくらい

たまらない程に

胸が締め付けられたよ

ずっとこの瞳が私のものだったなら

こんなに苦しいことはなかったのか

 

明日もきっと新しい出会いがあるね

いつかお別れがやってくる

1日離れたって寂しいのにさ

どうしたらいいだろう

 

私はひとり、ではない

神は在ってしまう

でもオネムの代わりなんて

神にだってできやしない

 

ネムの瞳の向こう

輝いている未来のビジョンが見えて

そこに私はきっとあまり居なくて

 

ネムは、どうしてる?

 

私はたまらず、詩にしてしまう

 

好きだよ

愛してるよ

 

たくさん貰ったね

抱えきれず溢れるね

 

ありふれた感情を

ありふれた言葉に乗せて

 

恥ずかしいな

 

伝わらないかもしれない

言葉を何度も書く

 

好きだよ

愛してるよ

 

ティー、淹れる

砂糖どばどば

飲みほせば

 

甘い生活

 

コタツでみかん

何かが崩壊する

食べ物を食べる

 

嫌いなフルーツ

大好きなお菓子

 

鍋で糖質制限しよう

 

ネムは細い

よく見つめてみた

 

好きだよ

愛してるよ

 

こうして、何かを失い同時に得る

どうして黙っていられないのかな

恥ずかしいな

 

詩などは、恥ずかしいな

 

笑って公開する度に

朝に後悔して

など

 

アッハッハ

 

大丈夫だよ

 

もう眠ろうか